3894f05b.jpg タテマエとメンツと、そして、もはや信仰に近いリネンの教育論ばかりの中、教育とどう向き合おうとしているのか大変関心があり、前々から観たいと思っていました。邦画「ブタがいた教室」(2008年。前田哲監督)をレンタルで観ました。

 6年2組の担任となった熱血新米教師・星(妻夫木聡)は「育てて食べる」ことを目的に学校でブタを飼育する実践授業を開始します。クラスの児童らは、子ブタを「Pちゃん」と名付け、世話を一生懸命して可愛がるようになります。この映画の基となっている実話では、廃品回収、自前の料理、残飯収集、カンパなど苦心してブタを飼育しています。しかし、この作品では、「Pちゃんをどうするか?」、子供達のディベートに焦点を当てており、それらの苦労話は省略されています。

 あなたが担任の星先生なら、あるいは、このクラスの児童なら、「食肉センターへ送る」、「3年生(のクラス)へ引き継ぐ」のどちらへ一票を投じますか?。吉田康人がもし担任でどちらかの選択肢へ一票をどうしても投じなければならないとしたら、「食肉センター」にすると思います。なぜなら、小学生らに対しては、社会の仕組み、常識をまず教えるのが教師としての役割ですから。映画中、ディベート・シーンでの涙を流しながらの児童らの訴えを見ていると、それぞれの理屈はどうであれあまりにも真剣で、もらい泣きをしてしまいます。そして、我がことと考えて自らの一票を想定せざるを得ません。