d519deb8.jpg【「世に棲む日日」(司馬遼太郎著)シリーズ(18)】

 昨年3月いらい途切れたままになっておりました「『世に棲む日日』(司馬遼太郎著)シリーズ」も再開させます(^_^.)。

 下記は革命軍の総大将・高杉晋作が新政権が萩にできるとすればを想像した時のくだりです。晋作が「鎮静会議員」(中立派)の多数が要職に就くことを思うと「身ぶるいするほどの嫌悪感をおぼえた」としたうえで次のように書かれています。

<<中立派というのは議論のみで正義をよそおい、実際には情勢の風むき次第でうごくという連中のことで、こういう連中ほど、晋作のように弾雨をくぐって一勝ごとに命をかけてきた感覚からいえばなんともやりきれない。

 が、それ以上にやりきれないのは、そういう連中とならんで、裃を着て台閣に列し、あるいは首座になり、たがいに御殿あいさつをしながら御城の御用部屋で扇子を使っているという、そういう自分を想像することであった。叩っ斬ってやりたいほどの憎悪を、むしろそういう自分に感ずるのである。>>

 実際、高杉晋作は「聞多、おれは逃げるぜ」と言って革命の成功とともに「逃げる」のですが、見習うべきは、「要職に就いた」ことではなく、「要職に就くことを想像して」身震いするほどの嫌悪感や憎悪を抱くほどの、革命家としての徹底ぶりです。