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 明けて2日目は朝から早稲田大学公共経営大学院教授でマニフェスト研究所所長の北川正恭さんのご講演がありました。タイトルは「これからの議会、議員とマニフェスト大賞」。

 いつになく厳しく、また、挑発的な口調の北川先生でした。

 「行政(公務員)には改革、革命は不可能である」とのお話から始まり、首長を変える必要性、大阪都構想は垂直的改革論であること、これまでのサプライサイドに立った田中角栄型の便益配分中心の政治・行政をリエンジニアリングしなければならない、さらに、関西州、関西広域連合、大阪都構想の議論は大阪から全国へ必ず波及するであろうと説かれました。

 そうした流れの中で議会は「絶滅危惧種」になっているとも。「定数を減らす、報酬を減らす」という議論が盛んなのは議会や議員が要らないと言われているのと同じだとバッサリ。もちろん、「そう言われないようにがんばれ」との叱咤激励でした。

 北川先生に続いて講演に立ったのは豊島区政策経営部情報管理課。「【豊島区】システム共通基盤を活用した情報共有の取り組み ~新しい自治に向けた先進事例紹介~」について。難しいタイトルですが要するに、自治体が持っている住民情報をITを利用してもっと活用できるとのご提案でした。この課題は、吉田康人が特に専門とする分野でもありますが北川先生がおっしゃっていたことと同じで、行政的発想ではなく政治センスが必要と感じています。

 2日目の最後は、新日本有限責任監査法人による「公会計から始める自治体改革」。地方公会計の考えかたは、制度として各自治体へ導入するだけでは宝の持ち腐れで、政治・行政に携わる人々の発想の転換を促す理念としても欠かすことができません。「大阪都になったら大阪市が現在抱えている債務は誰が引き継ぐんだ?」と大阪都構想に反論する人々のいるのが実態としてあるため、制度導入以前の問題として、地方公会計についての議論を盛んに行うべきと思います。

 今回のテーマは地元・大阪の危機に直結する部分が多く、大変勉強になりました。関係者のみなさんに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。