128f71b9.jpg さて、平成23年9月、大阪維新の会大阪府議会議員団が大阪府議会へ提出した「大阪府教育基本条例」案と、今回制定された「大阪府教育行政基本条例」ならびに「大阪府立学校条例」とを比較して最も関心を持ったのは、前者に明記されていた「教育基本法第2条に掲げる目標のほか」に大阪府が掲げる「具体的な教育理念」が後者には盛られていないことです。

 規定から外れた「教育理念」は次の各号です。

 一 個人の自由とともに規範意識を重んじる人材を育てること
 二 個人の権利とともに義務を重んじる人材を育てること
 三 他人への依存や責任転嫁をせず、互いに競い合い自己の判断と責任で道を切り開く人材を育てること
 四  不正を許さず、弱者を助ける勇気と思いやりを持ち、自らが社会から受けた恩恵を社会に還元できる人材を育てること
 五 我が国及び郷土の伝統と文化を深く理解し、愛国心及び郷土愛に溢れるとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する人材を育てること
 六 グローバル化が進む中、常に世界の動向を注視しつつ、激化する国際競争に迅速的確に対応できる、世界標準で競争力の高い人材を育てること

 この勉強会で大阪府教育委員会のかたへこの点を尋ねると、要するに、「教育基本法に既に盛られている『教育の目標』との兼ね合いもあり、今後策定する教育プランの中に盛り込まれていく方向」とのことでした。

 現行・教育基本法に比べ、大阪維新の会の上記「教育理念」に関する原案のほうがより具体的で公私のバランスが取れています。かつ、同原案の前文も、「大阪府教育行政基本条例」前文よりはるかに具体的で府民の願いを反映したものです。「教育プラン」策定へ至るプロセスの詰めの段階でこうした「教育(改革)の目的」論が骨抜きにされないよう注視していきたいと思います。