「地域包括支援センター」について長々と述べてきましたがこればっかりやっているわけにはいきません()。最後に、同「センター」の運営に関わるPDCA、いや、その先を見据え、地域包括ケアシステムの構築へ向けた大きな意味でのPDCAのことに触れておきたいと思います。

厚生労働省の用語をそのまま使うと、「地域ケア会議」には5つの機能があります。①個別課題解決機能、②ネットワーク構築機能、③地域課題発見機能、④地域づくり・資源開発機能、そして、⑤政策形成機能。これらを通じて、地域包括ケアシステムが実現することになっています。もちろん、こんなの、最初から上手くいくわけはありません。そこは、PDCAを常に回して改善を年々重ねていく必要があります。しかし、同「センター」の現場では、①と③とが混同されている傾向があるし、④、⑤の検証まではなかなか覚束ないのが実態です。


介護保険法施行規則第140条に設置が定められている各市町村における「地域包括支援センター運営協議会」にしても同様に、地域包括支援センター、および、その事業者をチェックすることはできていても、理想の地域包括ケアシステムの実現度合い、また、現状の課題、課題解決の方向性、具体的な施策までは充分議論できていない場合が多いはずです。


現行の法的枠組みで、「地域包括支援センター運営協議会」の所掌事務へ体制、委託、圏域など地域包括ケアシステム全般の議論を加えることは、各市町村の判断でできるはずです。各地方公共団体には様々な会議体が犇いていて、課題ごとに会議体を結成すると資源と労力のロスが大きくなります。同「協議会」は恐らく、地域福祉を代表するに相応しい人財を委員として擁しているであろうから、「センター」運営のチェックにとどまらず、地域福祉、高齢者福祉、地域包括ケアシステムのありかかた、将来ビジョンやそれへ向けての具体的施策をここで議論すべきです。


「地域ケア(推進)会議」も「地域包括支援センター運営協議会」も、「腕立て伏せをちゃんとやっているか」「何回やっているか」についてはPDCAを回せていても、「体力が付いているか」「理想の体、体力になっているか」については(意見は飛び交ってはいると思いますが)PDCAは回せていない場合が多いと、すべての地方公共団体を見ているわけではありませんが、推察しています。


「成果主義」の観点から言うと、厚生労働省や各地方公共団体で定めた「output」目標実行のPDCAを早く卒業しなければなりません。「地域包括ケアシステム」がなぜ必要なのか?、これが実現するとご高齢者にとって如何に住みやすい地域になるのか?、高齢者福祉、地域福祉が如何に強固で安定的・効率的なものになっていくか?など原点に立ち返り、「outcome」目標の実現についてのPDCAサイクルを、各市町村がグルグルと回す方向へ我が国の地域福祉行政が導かれることが期待されます。


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